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2022 Solo Exhibition -solid-
本展「solid」では、昨年の個展「chill」に引き続き、静謐な空気感を意識して描かれた新作群を発表しました。 身の周りで起こる事象に対し、自身の目を通して感じた色を使うことで、個人が保有している普遍的で確かな心地良い感覚を呼 び起こすことが出来る作品を目指します。
私は自身の作品が現実逃避して孤りに還れる、自身と向き合いクールダウンするための装置としての絵画になればと思っています。 ありふれた景色を実体験で感じた心地良さを込めて描く。 物理的な角度だけでなくその時々の視点、光、温度、湿度、感情、様々な要因で退屈な日常から解放された気持ち良い印象を受け取 れる瞬間が人それぞれにあると思っています。 凡庸な物でも経験に基づいて響き合い特別な感覚を抱いてしまう、そんな瞬間を表したいと考えています。
作品中に散りばめられている点は、蝋を用いてフリーハンドで描いた痕跡による図柄です。単純でありながらもモチーフを干渉しない 絶妙な間隔で並べられることにより、心地の良い時間の経過を感じられ、大小の大きさの変化により、感情の振れ幅と視覚的な効果 がより強く感じられるよう工夫しています。
塗りつぶしの効かない自身の制作方法と、やり直しが出来ず、しがらみの多い社会で踠き苦しむ日々に重なる部分があると考えています。それでも目の前にある現象と対話することで新たな発想を得て、乗り越えた先に想像した以上の表現がある事を信じ制作を続けます。
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