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​2023 Solo Exhibition -ever where-

「いつか、どこかで」という意味合いを込めた本展「ever where」では、実際の風景をモチーフに描かれた作品を軸に展開しました。鑑賞者にとって第三者である作家自身の目を通して感じた風景を、「染め」というフラットで情報量の少ない技法で意図的に描く事で、匿名性が高く既視感を覚えるような日常の中にある心地良い瞬間に繋がることを願って制作をしています。今回は風景を切り取るアングルや構図、光の見え方等にも更に拘り、朝から夜に移り変わる時間軸が感じられるような展示構成でスペースを彩ります。

私の作品は現実逃避して孤りに還ることができ、自分自身と向き合いクールダウンするための装置としての役割を持っています。作品を通して、些細な景色の中にある個々人が持つ普遍的な開放感と、心に潮が満ちるような感覚を呼び起こし、ストレスからの解放をもたらす事を意図しています。
近年の作品の特徴の一つとも言える、作品中に散りばめられている点は、蝋を用いてフリーハンドで描いた痕跡による図柄です。単純な行為の蓄積でありながらも、モチーフを干渉しない絶妙な間隔で並べられることにより、心地良い時の経過を感じられ、大小の大きさの変化により、感情の振れ幅と視覚的な効果がより強く感じられるよう工夫しています。

モチーフとなる風景は都心の裏路地だったり、太陽の光が降り注ぐ海岸線だったりと様々ですが、静謐な空気感と染め特有の雰囲気が見事に交わり、クリーンで美しい印象の世界観の個展となっております。

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